IPF(特発性肺線維症)患者さんの公的支援制度
IPFは難病に指定されている「特発性間質性肺炎」の1つです。そのため、治療中の患者さんの経済的負担を減らすことを目的とした、さまざまな制度が設けられています。このページでは、IPF患者さんが受けられる主な支援制度(難病医療費助成制度や高額療養費制度)について紹介します。
※このサイトに掲載されている内容は、2024年4月時点の制度に基づき作成しています。
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難病医療費助成制度とは?
難病医療費および高額療養費で助成されるイメージ
- ※1:指定難病による医療費総額が対象となります。
- ※2:指定難病以外の医療費総額も対象となります。
IPF患者さんの医療費助成
Ⅰ度~Ⅱ度で高額な医療費を支払っている方およびⅢ度~Ⅳ度の方は、難病医療費助成制度の対象になります。
注:IPF患者さんの重症度は医師が判定します。詳しくは主治医にご相談ください。
Ⅰ度~Ⅱ度の方
「高額療養費制度」を上手に活用しましょう。さらに、IPF治療による医療費総額が33,330円(自己負担額3割の場合1万円)を超える月が、申請月以前の12ヵ月の間に3回以上ある場合は、「軽症高額」として「難病医療費助成制度」の対象にもなります。
注: 高額療養費制度は医療費の自己負担額が高額な場合に受けられます。必ずしもすべてのIPF患者さんで受けられるとは限りませんのでご注意ください。
Ⅲ度~Ⅳ度の方
「高額療養費制度」および「難病医療費助成制度」の対象となります。
上手に活用しましょう。
- :1ヵ月を表します
- :IPFによる医療費の自己負担額が1万円以上※
- :IPFによる医療費の自己負担額が1万円未満※
- :難病医療費の支給
※自己負担額3割の患者さんの場合
東京都の例をもとに作成しています。
地域によって制度の運用方法が若干異なります。
詳しくは各自治体の担当窓口や最寄りの保健所などにお問い合わせください。
もっと知りたい! IPFの重症度分類
令和6年4月1日に改訂された厚生労働省特定疾患認定基準では、IPFを含む特発性間質性肺炎の重症度を安静時のPaO2および6分間歩行試験によるSpO2に基づいてI度~Ⅳ度に分類しています。こちらの重症度分類では、Ⅳ度が最も重症度が高いことを示しています。
新重症度分類 | 安静時PaO2 | 6分間歩行時 最低SpO2 |
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Ⅰ | 80Torr以上 | 90%未満の場合はⅢにする |
Ⅱ | 70Torr以上80Torr未満 | 90%未満の場合はⅢにする |
Ⅲ | 60Torr以上70Torr未満 | 90%未満の場合はⅣにする(危険な場合は測定不要) |
Ⅳ | 60Torr未満 | 測定不要 |
難病情報センター 診断・治療指針(医療従事者向け) 特発性間質性肺炎(指定難病85) 概要・診断基準等(厚生労働省作成)(令和6年4月1日)
特発性間質性肺炎と診断された患者さんのうち、重症度分類のⅢ度~Ⅳ度の患者さんは難病医療費助成制度の対象となります。また、IPF治療による医療費総額が33,330円を超える月が申請月以前の12ヵ月の間に3回以上※の方は、重症度にかかわらず医療費助成の対象となります。
※自己負担割合が3割負担の方の場合、自己負担額が1万円以上の月が申請月以前の12ヵ月の間に3回以上。
詳しくは、最寄りの保健所や役所・役場にお問い合わせください。
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2024年7月作成