間質性肺疾患を知る

肺がだんだんと硬くなる間質性肺疾患とは?

間質性肺疾患を知る

肺がだんだんと硬くなる間質性肺疾患とは?

間質性肺疾患のうち、肺が進行性にだんだんと硬くなり(進行性線維化)、呼吸機能が低下していく特徴のある病気を、進行性線維化を伴う間質性肺疾患といいます。ここでは進行性線維化を伴う間質性肺疾患の代表的な病気について解説します。

膠原病に伴う間質性肺疾患とは?

膠原病は、本来は細菌やウイルスを攻撃して排除するための「免疫」が自分の臓器に対して働いてしまうため、肺などのからだの組織が攻撃を受けて炎症が起こる病気です。肺で炎症が続くと、肺の線維化が起こってきます。

膠原病に伴う間質性肺疾患とは?

主に以下のような膠原病などで肺の線維化がみられます。

  • 関節リウマチ
  • 全身性強皮症
  • 多発性筋炎/皮膚筋炎
  • 混合性結合組織病
  • シェーグレン症候群
  • 全身性エリテマトーデスなど

【動画】関節リウマチ患者さんにおける肺の線維化を動画で見る (2:22)

【動画】全身性強皮症患者さんにおける肺の線維化を動画で見る (2:15)

膠原病の治療では、からだの炎症が強くみられるときに、さまざまな薬物療法が行われます。炎症が落ち着いてきたら、おくすりをだんだんと減らしていきます。主治医の指示に従って、適切な治療を続けることが大切です。

膠原病の患者さんへ

関節リウマチの患者さんへ

原因不明の間質性肺炎とは?

明らかな原因がなく、肺の間質に炎症や線維化が起こる病気です。

原因不明の間質性肺炎とは?

特発性間質性肺炎には、以下の病気が含まれます。

  • 特発性肺線維症
  • 特発性非特異性間質性肺炎
  • 剝離性間質性肺炎
  • 分類不能型特発性間質性肺炎

病気の状態によって、肺の炎症や障害を抑える、あるいは肺がだんだんと硬くなって呼吸機能が低下していくことを抑制するために、さまざまな薬物療法が行われます。一般的に禁煙も重要です。

過敏性肺炎とは?

鳥、カビ、化学物質などの特定のものにアレルギーのある患者さんで起こる肺の炎症です。

過敏性肺炎とは?

アレルギーの原因物質にくり返し接して、肺の炎症が⻑い期間にわたって続くと、肺の線維化が起こってくることが知られています。特定のもの(鳥やカビなど)に反応して起こる過敏性肺炎の場合、肺の症状を悪化させないように、それらを避けることが重要です。例えば、鳥が原因の場合は、羽毛ふとんやダウンジャケットなどへの接触は避け、公園や神社などの鳥の多い場所も避けるようにしましょう。

【動画】慢性過敏性肺炎の症状を動画で見る (2:12)

その他の間質性肺疾患

サルコイドーシス

全身や肺で炎症が起きて、顕微鏡でみえるくらいの小さな組織のかたまり(肉芽腫)ができる病気です。膠原病などの患者さんと同じように、からだの炎症反応の程度に応じて、異なる治療が行われます。

その他の間質性肺疾患

【動画】サルコイドーシス患者さんにおける肺への影響を動画で見る (2:06)

石綿肺

職業などに関連してアスベストを吸い込むことによって、肺の炎症や線維化が起こる病気です。アスベストを吸い込んでから⻑い年月を経て、肺に症状があらわれてくることが知られています。定期的に通院して検査や治療を受けることが大切です。症状が悪化するのを防ぐため、禁煙することも重要です。

間質性肺疾患はどんな病気なの?

膠原病の患者さんへ ご存じですか?膠原病は肺に悪影響を及ぼすことがあります