関節リウマチの患者さんへ ご存じですか?関節リウマチは肺に悪影響を及ぼすことがあります
関節リウマチの患者さんは間質性肺疾患を合併することがあります
関節リウマチの患者さんのうち、間質性肺疾患を合併する割合は約28〜67%とされています。さらに、そのうち40%の患者さんでは進⾏性がみられます。
【動画】関節リウマチ患者さんにおける肺の線維化を動画で見る (2:22)
間質性肺疾患とは︖
間質性肺疾患は、肺の間質の壁が硬く厚くなって(線維化)、呼吸がしづらくなる病気です。痰の出ない咳が続く、⽇常の軽い動作でも息苦しくなる(息切れ)などの症状があらわれます(参考:「どんな症状が出るの?」)。
【動画】肺のはたらきと間質性肺疾患を動画で見る (2:03)
間質性肺疾患の原因
間質性肺疾患の原因には、さまざまなものがあります。関節リウマチなどの膠原病により肺の間質で炎症が起こることが原因の場合もあります。また、⼀部の患者さんでは肺の線維化が進⾏することもわかってきています。
関節リウマチの患者さんが間質性肺疾患を合併しているかどうかを調べるためのさまざまな検査があります
聴診
背中に聴診器をあて、息を吸ったときの異常な呼吸⾳(「バチバチ、バリバリ」というマジックテープをはがすような硬い⾳)が聞こえるかどうかを調べます。
呼吸機能検査
息を吸ったり吐いたりしたときの空気の量などを調べる検査です。肺の線維化が進むと肺がふくらみにくくなるため、肺活量が減ってきます。
HRCT(高分解能CT)検査
HRCT検査では、肺の組織の様子を調べます。肺の硬くなった部分が白い影としてみえたり、肺がふくらみにくくなったりしている様子がわかります(参考:「どんな検査があるの?」)。
間質性肺疾患を合併している関節リウマチ患者さんは生存率が低いことが示されています
間質性肺疾患を合併すると、咳や息切れにより日常の生活に支障をきたすだけでなく、関節リウマチ患者さんの生存率を低下させることがあります。
間質性肺疾患の進行を遅らせることが大切です
肺の線維化が進むと、呼吸機能を以前のように回復させることが難しくなってしまいます。そのため、肺の線維化を抑えてできるだけ呼吸機能を保ち、病気の進行を遅らせることが大切です。
定期的に検査を受けることが重要です
病気のはじめのうちは、あまり自覚症状はありません。定期的に検査を受けて、以前の検査結果と比較し肺の機能が低下していないか確かめることが重要です。
まずは専門医に相談しましょう
呼吸機能の低下を抑えるおくすりや、在宅酸素療法を用いた治療などがあります。少しでも気になることがあれば、専門医に相談してみましょう。
間質性肺疾患を相談できる病院はこちら
本サイトでは、間質性肺疾患について相談することができる医療機関をご紹介しています。ご自宅や職場の近くにある医療機関を探してみましょう(参考:「近くの専門病院を探す」)。
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2023年12月作成