この症状って全身性強皮症?
症状から考えられること
指先が急に白くなったり、指輪が入らなくなったり、そんな症状のある方は「全身性強皮症」の可能性があります。
全身性強皮症は、皮膚や臓器がだんだん硬くなっていく病気で、膠原病のひとつです。膠原病は、関節リウマチや全身性エリテマトーデスといったいくつかの病気の総称で、発熱や疲労感などの共通した症状があります。そのため、全身性強皮症の初期には、「膠原病に共通した症状」と「全身性強皮症に特徴的な症状」がみられます。
膠原病の初期にあらわれやすい症状
膠原病の初期には、微熱が続いたり、疲れやすくなったり、指先が急に白くなるなどの症状がみられます。このような症状がみられるときは、膠原病の可能性が考えられます。
原因のわからない微熱が続く。発熱と解熱をくり返す。
疲れやすい。からだが だるい。
指先が一時的に白くなる。白から紫、赤に変化する。
急にやせはじめる。理由がないのに食欲がない。
関節が腫れる。ふしぶしが痛む。これらが左右同時にあらわれる。
あごの下、くび、わき の下、内ももなどのリンパ節が腫れる。
力が入らなくなる。椅子から立ち上がりづらくなる。
顔やまぶた、手、足、からだの皮膚に、かゆみのない赤い斑点があらわれる。
全身性強皮症の初期にあらわれやすい特徴的な症状
全身性強皮症では、膠原病に共通した症状に加えて、手指のむくみやこわばり、爪のつけ根(あまかわ)の内出血、胸やけなどの特徴的な症状があらわれます。
手指がむくむ。こわばる。指輪が抜けにくくなる。
爪のつけ根(あまかわ)に、内出血がいくつもみられる。
胸やけがしたり、食べ物が胸につかえる。食べたものが食道に逆流する感じがする。
「全身性強皮症セルフチェック」をしてみましょう。
これらの症状が気になったら、「全身性強皮症セルフチェック」をしてみましょう。セルフチェックの結果、全身性強皮症の可能性がある場合は、専門医の診療を受けましょう。
全身性強皮症の症状は、患者さんごとにさまざまです。そのため、セルフチェックにあてはまるからといって、必ず全身性強皮症と診断されるわけではありません。また、セルフチェックの結果があてはまらなかった場合でも、全身性強皮症の可能性はあります。最終的には、医師による診察や検査によって判断されます。また、ほかの膠原病の可能性も考えられますので、気になる症状などがあれば医療機関に相談するとよいでしょう。
なるべく早く専門医を受診しましょう
病気が進んでしまう前に、専門医を受診することが大切です。
全身性強皮症の進み方は、患者さんごとにさまざまです。はじめて症状があらわれてから数年の間に、皮膚や臓器が急速に硬くなる場合もあります。
また、肺や消化管などが硬くなると、もとの組織が壊れてしまうため、正常な機能を回復させることは難しくなってしまいます。そのため、病気が進んで、組織が大きく壊れてしまう前に治療をはじめることで、病気をコントロールしやすくなります。
これらの理由から、症状が気になったら、なるべく早く専門医を受診することが大切です。
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2023年10月作成