日常の注意点は?
適切な治療を受けましょう
定期的に通院をしましょう。
適切な治療を受けるためには、定期的に通院をして、継続的にご自身の病状を知っておくことが大切です。いつもより息切れや咳が多い、熱があるなど、体調の変化についても医師に相談しましょう。
治療を継続しましょう。
ご自身の判断でおくすりの服用を中止せずに、医師や薬剤師の指示にしたがって、適切な治療を継続することが大切です。
ほかの医療機関を受診するときは…
ほかの病院を受診するときは、全身性強皮症と診断されて通院していることや、処方されているおくすりを伝えてください。新たにおくすりが処方されたり、おくすりの服用をやめるように言われたときは、かならず主治医に相談しましょう。
体調の変化は、早めに医師に相談しましょう。
全身性強皮症では、さまざまな臓器に合併症が生じますが、いつ、どの臓器に症状があらわれるかは予測できません。下記のような症状があらわれた場合は、ご自身では「病院に行くほどでもない」と思っても、次の診察を待たずに医師や看護師、薬剤師に相談してください。
呼吸 | 息切れが激しくなった、咳が多くなった |
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皮膚 | 指先に潰瘍ができた、または悪化した |
関節 | 手の指・手首・肘や膝などの関節に痛みやはれがでてきた、手の指が曲がってにぎりづらくなった |
食道 | 食べたものが通りにくい、胸やけがするようになった |
消化器 | 下痢や便秘が続くようになった、おなかが張る |
疲労感 | 疲れやすい、階段が上りづらくなった |
血圧 | 突然血圧が上がり、頭痛や頭部の不快感、めまい、胸痛がする |
乏尿 | 尿がまったく出なくなった |
日常生活の注意点
禁煙しましょう。
タバコは血流を悪くしたり、肺の症状を悪化させたりします。かならず禁煙しましょう。
規則正しく、快適な生活を心がけましょう。
過労や睡眠不足などはからだに負担がかかります。無理をせずゆったりとした生活を心がけましょう。また、安定した室温と適度な加湿により、快適な生活を心がけましょう。
無理な活動は避けましょう。
激しい運動や疲労を残すような無理な活動は避けましょう。
保温を心がけましょう。
手足をあたたかく保温することを心がけ、気温が低いときは手袋や厚手の靴下などを必ず身につけましょう。スーパーなどの室温の低いところに行く前は、マッサージをするとよいでしょう。
小さな傷でもきちんと処置をしましょう。
全身性強皮症では手足の血流に障害がみられ、傷が治りにくいことがあります。小さな傷でもきちんと処置をするようにして、状況に応じて医師に相談しましょう。
間質性肺疾患を合併している患者さんは、息切れに注意して、無理な運動は避けましょう。
無理な運動をすると呼吸困難になる可能性があります。息切れをおこしやすい場合は、急に走ったり、無理をして長時間歩いたりしないようにしましょう。階段を上るのが苦しいときは、無理をせずにエレベーターやエスカレーターを使いましょう。また、重いものを持ち上げたり、全身に力を入れる動作にも気を付けましょう。
妊娠や出産について
妊娠を希望する場合は、主治医とよく相談しましょう。
全身性強皮症の患者さんでは、妊娠や出産の負担に母体が耐えられるかが問題となります。特に肺や心臓、腎臓などの症状を慎重に検討する必要があります。妊娠を希望する場合は、あらかじめ主治医とよく相談しましょう。また、妊娠した後も、医学的な管理が必要となるため、主治医と産婦人科の先生との連携をとってもらいましょう。
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2023年10月作成